カッコイイ杉並区 税理士
金融政策がまったく効かない日本経済日本人投資家から外国人投資家に返ってきた答えは、何だったのでしょうか。
日本の機関投資家である信託銀行とか生命保険会社の方々は、「いや、我々だってこんな債券を買いたくはありません。
一○年国債で二パーセントの利回りしかない債券なんか買いたくない。
我々は、運用難なのです。
お金はあるけど、どこに融資していいか分からない。
どこに投資していいか分からない。
我々が貸したいような相手がまったくお金を借りなくなってしまったのです」と言うのです。
こうして日本の投資家の話から、ここ数年間、日本で資金需要が激減してしまったということが分かったのです。
民間企業が金融機関や資本市場からどのくらいお金を調達しようとしていた、一九八○年代、まだ日本経済に元気があったころ、日本には大変な資金需要がありました。
とりわけバブルの後半などは、すさまじい勢いで資金需要が増えています。
その後、九○年にバブルが崩壊します。
この年の初日から株が暴落しますが、それでも九三年くらいまではまだそれなりに資金需要はありました。
民間企業やいろいろな人が銀行に行って、お金を借りて、仕事をしていました。
ところが九三年、九四年ごろから、資金需要がまったくなくなってしまいます。
最近はずっと前年比マイナスであります。
この中にまだ追い貸しが入っておりますから、もしも追い貸しの部分をはずせば、それこそすさまじいほどの資金需要の落ち込みとなります。
そうすると金融機関にはお金があっても、は機関投資家にはお金があっても、融資する先がなくなります。
だからといって、ただお金を持っているだけでは、今の金利は○・五パーセントですから、このままでは金融機関はもっと困ることになります。
自分たちも、金利を払わなくてはいけません。
そうなると、国債を買うかということになります。
国債はこの時点で二・数パーセントで回っていましたから、○・数パーセントの金利しかない現金よりもまだいいわけです。
それで皆日本の投資家は、国債を買う。
皆が同時に国債を買いますから、国債の値段がどんどん上がっていって、金利がどんどん下がっていったという仕組みになっていたのです。
この時期に金融機関にとってもっとも深刻だったのは、不良債権問題よりも、運用難の問題だったのです。
たくさんのお金を抱えているのに、有望な投資先、融資先が見つからないのです。
一部の信用力の高い企業に対しては、銀行員がわざわざ足を運んで「頼むからお金を返さないでほしい」とお願いをしていたほどです。
返されたら、もっと困るのです。
どこにお金を持っていっていいか、金融機関は分からなくなっていたのです。
それくらい運用難は深刻でした。
聞いて外国人の投資家は、「しまった」と真っ青になったのです。
彼らが、日本株金融緩和が効けばマネーサプライが増える。
内需が増えれば企業収益も改善するはずだと思っていたのです。
私も一回テレビでアメリカの投資家であるJs氏と実際に議論をしたことがありますが、そのときにJs氏が言っていたのが、まさに今私がお話ししたことでした。
これだけ金融緩和をすればマネーサプライが増えて、マネーサプライが増えれば内需が増えるという話だったのです。
日本の機関投資家が運用難に陥っていたということは、Jsや外国人投資家の考えていた大前提を完全に崩してしまいました。
彼らが日本経済を回復に持っていくと期待していた低金利という日本の金融政策が、まったく効いていなかったのです。
どうして運用難と金融政策と関係があるのか。
これだけ公定歩合が下がった状況が二年以上も続いたにもかかわらず、なぜ景気がよくならないのか。
○・五パーセントの公定歩合なら、とうの昔に超バブルになっていてもいいはずなのに、なぜ日本経済はびっくりとも反応しないのか。
なぜなのかということを疑問に持たれていた方もおられると思いますが、を買っていた理由づけの中に、金融機関の運用難という事態はまったく想定されていなかったのです。
実はこういうことなのです。
中央銀行の金融政策が景気に効くには、いくつかの条件があります。
その中であまりにも当たり前のことなので最近の経済学書にも書いてありませんが、もっとも重要な条件は、中央銀行が金利を下げたことに対して、民間が反応して資金需要が増えることです。
民間が手を挙げて銀行に行って、お金を借りてそのお金を使わなくては、金融政策は効かないということなのです。
銀行からお金を借りた人が、そのお金を使ったとき、初めて次の人の所得が発生するわけで、お金を借りない、は借りてもそれで過去の借金を返すというのでは、次の人の所得は発生しません。
今日本では、特にこの数年間ですけれども、資金需要がまったくなく、銀行に行ってお金を借りる動きがありません。
お金を借りて、積極的に工場を建てようとか、いろいろなプロジェクトを進めようという人がいないということは、日本の金融政策が効かないということなのです。
お金を借りて使う人がいなくてはいけないのに、そのお金を借りて使う人がいないものですから、金融政策は効きません。
金融政策が効くという前提で外国人の投資家は日本株を買っていたものですから、「しまった」ということになります。
やはり株外国人投資家が注目したのは、日本のGDP成長率です。
一九九六年の第一四半期、一月から三月ということですけれども、日本経済では三・七パーセント成長というGDP成長率が発表されています。
日本銀行の金融政策が全然効いていない世界で、どうして突然一二・七パーセント成長などという数字が出てきたのだろうか。
当然いい疑問になるわけです。
使えば、次の人の所得が発生する。
当初ゼネコンに支払われたとしても、ゼネコンはそのお金で資材を買い、従業員の給料を払う。
そうすると次の人の所得になって、その従業員がコンビニに行っておむすびを買えば、そこで次の所得が発生する。
こうやって、経済というのは回っていくのです。
経済が回り、所得が発生すれば、所得を足したGDPは伸びるのです。
このように財政政策が効かないというのはまったくのナンセンスであって、九六年の一〜三月期はその財政政策を前年比五五パーセントも余計にやったわけです。
皆穴掘って埋めるような仕事をやっていても、五五パーセントも前年比で余計にやれば必ず効きます。
おそらく読者の皆さんの中にも九六年の第一四半期、二月、三月ごろ、少し景気に活気が出てきたのではないか、何かお金の回転が早まってきたのではないかと感じた方がおられると思います。
その活気は、全部財政政策からきていたのです。
前年比三七パーセント増、前年比五五パーセント増と一気に財政政策をやったのですから、全体の景気が持ち上がり、三・七パーセントの経済成長という数字をつくったのです。
九六年度を通して見ましても、日本は二・九パーセントの経済成長という、先進国の中では極めて高い成長率を記録しています。
この年は第二四半期からはほとんどめぼしい成長は見られなかったのですが、財政政策による第一四半期の成長によって、全体で二・九パーセントの経済成長が可能になったのです。
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